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したが、議会でたいへん不評でした。アメリカという国は自分でしたことは自分で責任を持つという国です。自分で使ったら自分で支払うという個人主義に立っている国であり、共同の負担はなるべく減らそうという哲学を持った国なのです。だから国民負担率は低い。日本はヨーロッパとアメリカの中間でありまして、昨年が37.2%でした。これがいまちょうど論議の最中ですが、介護保険という問題が起こっています。この介護保険が登場してくると、国民負担率はぐんと上げなければなりません。しかし、政財界では国民負担率は50%を越えないようにするという考えを打ち出しておりますので、これから負担の問題は大きくクローズアップされることになります。
その中でも大きな割合を占めるのが医療です。年金:医療:福祉が5:3:1という割合ですが、その福祉を2に引き上げようということが今日政策として言われているわけです。今後、高齢社会を迎えますので、ますますそこは大きな宿題として私たちにのしかかってくることになります。
日本人は貯金をたくさん持っている、そしてバブルではじけたといいながら地価がたいへん高い。これらを全部あわせると日本は2,430兆円という価格になるのですが、アメリカを4つ買えるほどの金額です。東京は世界で一番地価の高い都市です。2番目に高いのがニューヨークですが、ニューヨークと東京の差はどれくらいかというと、東京の地価はニューヨークの56倍にもなるのです。こうした地価に表れているように、個人ではありませんが、国としては金が余ってきた。
第2は、この狭い国土で不思議なのですが、土地が余ってきています。減反政策で水耕田の3割が遊んでいるのです。工業用地は20億平方メートルが使われておりません。
第3に何が余っているか。老人なのです。3Kという言葉があります。若者に使われる言葉で、危険、きつい、汚いの頭文字で

 

 

 

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